アニメーションとデザインの思考

今回は、武蔵野美術大学教授の西本企良氏からあお話を伺った。

 

 

 

●学んだこと

 

私は今回、初めてじっくりとアニメーションに関する話を聴いた。

 

そのため、

普段慣れ親しんでいるアニメーションについて学べたのはとても面白く感じた。

 

アニメーションの技術的特性のお話の中で、

「人間の視覚の特性を利用して動きを得ることができるなら、必ずしも絵を描かなくても良い」というがお話があり、アニメーターは絵が描けなくてはいけないと思っていた私にとっては驚きであった。

 

そして、

アニメーションの表現上の特性のお話では、

リピート表現やメタモルフォーゼ、インタラクティブ表現を、

実際の映像とともに紹介されており、目で見て学習でき面白く感じた。

 

また、

視覚の特性のお話も実際の映像と合わせて紹介をしていただき、

理解がしやすく感じた。

 

ものの大きさや移動速度、予備動作など、

その1つ1つが組み合わさっていくことにより、なめらかであり、

よりリアリティのあるアニメーションが生み出されるのだと感じた。

 

これらも含めたお話からアニメーションを作るには、

人の様々な“特性”を理解していなければいけないのだな、ということを学んだ。

 

 

●考えたこと

 

西本氏のお話から、前述した通り、

アニメーションを作る際には人の特性を理解していないといけないことを学んだ。

 

そのことから、それはアニメーションに限った話ではないのではないか、

ということが頭に浮かんだ。

 

もしかしたら、人が携わるもの全般に言えることなのかもしれない、と。

例えば、モノ作り・デザインをする際にも人の特性というものを

理解していないといけないということを改めて実感した。

 

今回のアニメーションに関する西本氏のお話は、人の特性をした上でようやく、

人にとって使いやすいモノ・安全なモノを提供していけるようになる、

ということを考えるきっかけとなった。

 

私は、学部時代に心理学を専攻していたため、

人の知覚・認知・動作などの心理的な特性を広く学んできた。

 

しかし、それだけでは補えない面や勉強をし直さないといけない部分も多々あるため、この講義での気づきを機に再び学びなおしてみよう、と感じた。

工業デザインとデザインの思考

今回は(株)プレーン代表の渡辺弘明氏からお話を伺った。

 

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●学んだこと

 

渡辺氏のお話の中で、

 

「複雑化は美しいか?」

 

といった問いが投げかけられた。

 

その際に例として、見せていただいたのは

ハートのような形をしたタワシであった。

 

果たしてこれは美しいデザインと言えるのだろうか?

 

従来のタワシは、無駄な要素や無駄な形を省きつつも、

きちんと機能する。

 

そのことを追求した結果、馴染みのある今の形になった。

 

この無駄を究極に省いた、

もうこれ以上単純化できないデザインこそが美しく、

 

さらにそれこそがデザインだと言うことを知った。

 

そのような無駄を省いたデザインを作り出すためには、

モノを作る際の最初の段階から美を目的としないことが大事であるという。

 

機能や使いやすさを考えた上で見た目の美しさは結果として

備わってくるとのことであった。

 

●考えたこと

 

今回の渡辺氏のお話から、

デザインを考える際には、自分が作りたいモノの本来の機能を意識した上で

作らないといけないということを学んだ。

 

今回の講義の中で、様々な製品を紹介していただいたが、

その中の1つに「kamomefan 」という扇風機の紹介があった。

 

このkamomefanは実際に持ってきていただいており、

実物の紹介もあった。

 

従来の扇風機は、昔の日本人の生活スタイル

(畳の上に座ったり布団を敷いて寝たりといった)

に合わせて作られていたため、

 

畳に座りながらや寝ながら操作できるように

扇風機の足元に操作スイッチが集中して作られていた。

 

しかし、現代の日本人の生活スタイルは

イスに座って過ごすことやベッドで寝るといったことが多い。

 

kamomefanはそんな現代の日本人の暮らし方に合わせた扇風機となっており、

操作するところが扇風機の足元ではなく、ボディの真ん中くらいのところへ付いている。

 

そのおかげで、イスに座ったままの状態で扇風機の操作が可能となっている。

 

この扇風機のお話から、

今のユーザーはどのような使い方をしているのか、

どのように生活しているのか、

 

ということに着目するだけでも、

すでに存在するモノに変化を与えることができるんだ、

ということを感じたことから、

 

ユーザーの立場や視点からモノ作りを考えていきたいと思った。

 

 

 

 

 

 

 

ブランドとデザインの思考

今回はインサイトフォース(株)の代表である山口義宏氏からお話を伺った。

 

 

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●学んだこと

 

今回の講義で私は、

“ブランド”

の影響力を学んだ。

 

私たちは、会社名やロゴマークを見ただけで、

その会社のイメージが思い浮かぶことがある。

(例えば、ソフトバンクといえば白い犬を思い浮かべるといったような)

 

私は今までこのことに対して何も特別に思っていなかった。

 

しかし、山口氏の話を聞いてそれは会社の“ブランド”に“一貫性”がある証拠だ、

ということを知った。

 

ブランドというものは、一貫性のある体験の蓄積で創られるという。

つまり、ブランドをつくる際には、記号も価値も一貫性がなければ

ブランドとして記憶されないということを知っておかなくてはならない。

 

ということは、

「〇〇(会社名・ブランド名)といえば、△△△」

と言えたりイメージできたりできる“ブランド”は、

 

きちんと消費者に知覚価値を与えてられている“ブランド”

ということを今回の講義で学んだ。

 

そして、そのようなブランドを作り上げるためのデザインをする上で大事なことは、

 

「デザインはブランドの価値を知覚させるためのもの」

 

であるため、知覚価値を体現していなければならない

ということを意識することである、ということも新しい学びになった。

 

●考えたこと

 

ブランドの一貫性を生むために大事なポイントを講義内で学ぶことができた。

 

その学びの中で、

「生活者目線で魅力のある知識は正しい事実とは限らない」

という言葉が強く印象に残った。

 

例えば、テレビはパネルが良ければ画質も良くなると私たちは考えがちであるため、

パネルの質の良さを謳っているブランドが優れている商品を取り扱っているもの

だと思ってしまう。

 

しかし、正しい事実としては、画質の良さを左右するのはパネルではなく、

回路設計技術らしい。

 

こういったように、私たちは真実とは限らないことを魅力として認識し、

本当に優れた商品を選べていないことがある。

 

この話を聞いて私は、自分も一消費者として、

何が優れているとその商品の質がいいと判断できるのかを

しっかり知識として取り入れていきたいと考えた。

 

その反面、ブランドの影響力というものは本当に大きく、

上手くブランドを創り上げることができれば、

 

消費者にとってそれが事実とは限らなくても魅力を感じさせることが

できるのだと感じた。

空間とデザインの思考

今回はテラダデザイン事務所代表の寺田尚樹氏からお話を伺った。

 

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●学んだこと

 

寺田氏の学生時代から今に至るまでの作品紹介は

どれもとても面白いものだった。

 

まずは学生時代、自身がいちごゼリーに強く憧れを抱いていたことから、

いちごゼリーのメガネを作ったという発想とその作品のインパクトに驚かされた

 

いちごゼリーで何かを作りたいが、建物などを作るのには素材が脆い…。

 

そこで、いちごゼリーのメガネを作ってしまえば、

目から入る情報がすべてゼリーになる。

そんな発想からいちごゼリーのメガネは誕生したそうだ。

 

そのほかにも、いちごゼリーのスーツ、

そのスーツがきっかけで自分をクマの形をしたグミの写真と合成し、

 

自分もグミのクマになった気分を作品で

表現したりとユーモアのある魅力的な作品ばかりだった。

 

その後ほど、「テラダモケイ」や「15.0%」と言った

寺田氏の代表作が生み出されていくわけだが、寺田氏のお話や過去の作品から、

 

デザインとは固苦しく考えすぎず、

柔軟に考えてみてもいいものだということを学んだ。

 

●考えたこと

 

私は今回の講義を受けて、改めて、事前にリサーチすることは大事なんだ、

ということを考えが浮かんだ。

 

寺田氏がテラダモケイを作る際には、きちんと現場に赴き、

入念に観察をすることや実際に寸法を測るなどと、

入念にリサーチを重ねていると語っていた。

 

最後に紹介していただいた、田植えの動画を制作する際には、

現場を観察しに行くだけではなく、自分たちでも田植えを経験した様子も紹介された。

 

これらのリサーチがテラダモケイのあのリアリティにつながっているんだ、

と感じた。

 

デザインとリサーチは切っても切り離せないものだと、強く実感した。

 

また、「15.0%」の紹介では、

その商品名をつけた理由として“あえて”わかりにくい商品名をつけたとお話していた。

 

そういった商品名をつけることによって、

 

「これは何だろう?」

 

と人の注意をひくこともできるし、

 

 

商品名の由来を知っている人にとっては、

知らない人へ説明するという、話のタネにできる。

 

こういった考えから「15.0%」の商品名は生み出された。

 

このことから私は、商品名を考える際には、

その商品名から生まれるストーリーまで考えていくことが

魅力的な商品名を考えるコツだと感じた。

デザインの思考とは

今回は千葉工業大学の教授である山崎先生からお話を伺った。

 

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●学んだこと

 

今回の講義では、山崎先生の作品ポートフォリオを見ることができ、

先生の作ったものたちについて知ることができた。

 

その作品はどれも時代を先取りしているようなモノが多く、

とても驚いた。

 

特に驚いたのは最初に紹介された「Think Pad」である。

「Think Pad」は今から16年くらいに作られたものだという。

 

タブレットが開発されたのはつい最近のことだと思っていたが、

16年も前にタブレットがすでに存在していた事実とその発想力にびっくりした。

 

また、先生のトライアルしている様々なことについても紹介していただいた。

ここでも驚いたのは、トライアルしていることは1つだけでなく、複数存在していることである。

 

これからの未来を見据えた活動をしていくためには、

何をすべきか、何に挑戦していくべきか、これらを考えた上で、

 

1つだけではなく様々な活動を行っていく。

このことが未来のデザイナーになるための第一歩である、

ということを山崎先生のトライアルから学んだ。

 

●考えたこと

 

私は上記に記した学んだことも受け、今回の講義では、

人にとって嬉しい体験を提供することやトライアルするについて考えた。

 

単に、人のニーズを反映させたモノを作るのではなく、

 

・コンテクストに合ったデザインをする

・見た目を愛嬌のあるデザインにすることによって魅力も提供する

 

など、山崎先生が行ってきたこのようなことがユーザーのことを考えた

モノづくりには必要不可欠なことだろう、と改めて実感することができた。

 

このことを常に忘れることなく、私はモノづくりに携わっていきたい、

と考えた。

 

そして、トライアルに関して考えたことは、

失敗を恐れずに何事にも挑戦してみる、ということである。

 

山崎先生がスタートアップに関して、

 

「失敗した人に価値がある」

 

とお話をしていた際に、

それはスタートアップのことだけに当てはまるのではなく、

学生のうちは様々なことに挑戦して、

 

それが例え挑戦が失敗に終わったとしても

それを自分の経験値として蓄えていくべきだと感じた。

 

そのためにまずは、自分が挑戦したいことを見つけて行こうと思った。

インテリアとデザイン思考

今回の講義では、(株)タピエ代表である玉井恵里子氏からお話を伺うことができた。

 

 

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●学んだこと

 

「目憶力」という言葉を今回私は初めて耳にした。

これは、モノを見たとき、“目”で記憶し情報をストックするというものだという。

 

仕事の依頼を受けたときにモノを探すのではなく、

日頃からストックしてある記憶からモノを探し、編集し活用する。

それが「目憶力」だということを学んだ。

 

目憶力を育てるためには、本を読んだり、美術館へ行ったり、旅行へ行ったり…。

様々なことに興味を持ちたくさんのモノを見ることが大事だという。

 

さらに、若い私たちだからこそ持っている感性も存在するため、

今しか感じられないことを今のうちにストックしていくことが重要である

ということを気づかされた。

 

また、今までの自分が好きなモノを置いておいて、

新しく好きなモノを増やしていく、これも大切なことであることも知った。

 

そうするためには、変化することを恐れてはいけない、

という話がとても印象的であった。

 

●考えたこと

 

私は今回、玉井氏の話を聴き、

「発信」

することについても学んだ。

 

玉井氏のお話の中で出てきた「ZAKKAな大阪」では、

大阪のイメージといえば「食い倒れ」「通天閣」「阪神タイガース

などといったものが中心だったが、

 

こんなイメージは嫌だ!

 

という思いがきっかけで、新たに、

「かわいい」というイメージの大阪を発信するに至ったことを知った。

 

このお話から、

「発信」するにはこうしたい!

といった自分の強い意志が必要だと感じた。

 

反対に、自分が発信したいことを見つけた場合は強い意志を持って取り組めば、

世の中に「発信」していくことができるのでは、とも考えることができた。

 

これからは様々なモノを見たり触れたりしていく中で、

自分が発信していきたいと思えるものを見つけたときは、

 

強い意志や具体的なテーマをしっかり持ち発信していきたいと、

今回の講義を聞き考えた。

タイポグラフィーとデザインの思考

今回は、(株)中垣信夫デザイン事務所代表の中垣信夫氏にお越しいただき

お話しを聴くことができた。

 

 

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  • 学んだこと

 

今回の講義では文字の歴史について学ぶことができた。

 

私は今までこれほど詳しく文字の歴史について学んだことがなかったため、

とても面白く、新鮮に感じた。

 

中垣氏が用意してくれた資料には今まで見たことのない書体の文字が数々あり、

すごく興味深かった。

 

紹介して下っさた文字が誕生した背景のお話しも聞け、

 

「だからこの書体はこういう形をしているんだ」

と納得することができた。

 

また、中垣氏のお話から日本語の良さについて改めて認識した。

 

当たり前のことだが、身の回りは日本語が溢れているし、

自分も日本語を読んだり話したり書いたり…といったことを自然にこなしている。

 

そのせいか、“日本語の良さ”に関して強く意識したことはなかった。

 

しかし、

 

「日本語には、ひらがな・カタカナ・漢字が存在し、さらに縦にも横にも読める。

このような言語はとても珍しい」

 

と中垣氏がお話ししていたのを聴き、

 

「確かに!」

と感じ、自分も日本語の良さを改めて認識できるきっかけとなった。

 

 

  • 考えたこと

 

「その時代に住んでいた文化を文字は背負っている」

という中垣氏の言葉が深く印象に残っている。

 

普段何気なく使用している文字であるが、この言葉を聴き、

文字というものをもっと意識し、大切にしていかなければいけないな、

といった考えが生まれた。

 

そして文字についてさらに学んでみたいとも思うようになった。

 

また、中垣氏が、

 

「新しいテクノロジーができたら幸せになると思ったら間違い」

と言っていたのも印象的だった。

 

今日は様々なことが機械化し、便利な世の中になった。

 

だが、その便利さと引き換えに人が失っていった能力も多いということを

今回の講義で気づかされた。

 

中垣氏の作品を実際に見ても思ったが、機械やソフトを利用するのではなく、

自分の手で絵を描く、文字を書く。

 

それはとても素晴らしいことであると感じた。

 

これからは、機械ならではの良さと人間ならではの良さ、

この2つを考えていかなくては、と改めて意識した。