体験とデザインの思考

今回の講義では、インフォバーンで京都支社長として活躍していらっしゃる井登 友一氏からお話を伺った。

 

 

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<学んだこと>

 

今回の講義で私はまず、ペルソナの重要性について学んだ。

 

私は今まで、心理学を学んでいたことから、デザインとしてのペルソナを学び始めたのは他の学生と比べるとつい最近のことである。

もちろん、その学んでいく中でもペルソナはデザインをしていく上で重要な役割があるということは理解していた。

 

しかし、今回井登氏からペルソナを作成したことによる成功例を実際に聴くことによって、ますます重要性を学ぶことができた。

また、話を聴いていて意外だったことは、今となっては当たり前のように作成され使用されているペルソナが10数年前はなかなか受け入れてもらえなかった、ということである。

 

だが、その後大和ハウスさんと手を組んだことによってペルソナがその力を発揮し、見事売り上げ(これが先ほど挙げた成功例)へとつながり、徐々にペルソナが受け入れられるようになったという。

さらに、井登氏によるペルソナの作り方のレクチャーはとても参考になり、とても良い学びとなった。

 

<考えたこと>

 

先ほど学んだこととしてペルソナを挙げたが、そのペルソナを作成するにあたってデータを収集する際のインタビューには、インタビュー相手との「ラポール」を形成することが大切だと井登氏はおっしゃっていた。

 

私にとってラポールという言葉は心理学用語であるためとても身近に感じた。

やはり、インタビュー相手から様々なことを聞き出すには信頼関係を築きあげることが重要らしい。

 

私は、デザインに関する知識は勉強中であるため、実践する場面になると戸惑ってしまうことが多く不安を感じている。

しかし、井登氏のお話を聴き、臨床心理学の手法がユーザー情報を収集するのに役立てることができる、と感じることができた。これからもデザインを学んでいくことはもちろんのこと、自分の強みでもある心理学の知識をデザインに活かしていく方法を模索していきたい、と考えた。

 

そうすることで、ユーザーのニーズを引き出し、デザインに貢献していくことができれば、と思う。

エスノグラフィとデザインの思考

 

 

今回は伊賀聡一郎氏の「エスノグラフィとデザインの思考」という公演を拝聴させていただいた。伊賀総一郎氏はPARCでシニアリサーチャーとして活躍されている。

 

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<学んだこと>

 

私は今回の授業で、まずエスノグラフィそのものについて学んだ。

 

今まで、エスノグラフィという言葉は耳にしたことはあるが、その明確な意味についてまではよく理解していなかった。

 

しかし伊賀氏の話を受け、エスノグラフィは単純に見えているものをそのまま見るのではなく、その人にとってどう見えているかをその人の視点で世界を見ることだ、ということを理解した。

 

またそれだけではなく、エスノグラフィに関連した数々の名言も知ることができた。

 

名言を紹介していただいたことにより、単にエスノグラフィに関して言葉で説明されるよりも、より深い理解に繋がったと感じた。

 

特に、

 

"人の欲するものを人が予期せぬ形で"

 

という言葉が印象的であった。

 

そして、さらに学んだことは日本の企業に関してである。現在の日本企業の課題を知ることとなった。

 

現在は、第一世代と呼ばれる人たちが築き上げた幹が使えなくなってしまった。

 

そのため、第三世代と呼ばれる私たちは、何か新しい幹になるものを作りつつ、従来の会社の強みを活かしながらものづくりを行っていかなくてはならない、といったとても難関な課題が課せられているらしい。

 

今回この話を聴いて、私も就職した際には、この課題について考えていかなくてはならないのだと意識した。

 

<考えたこと>

 

今回の授業で伊賀氏は、

 

「あなたにとってこれからのデザインとは?」

 

という問いを私たちに投げかけていた。

 

そう言われてみると、

今まで自分にとってのデザインについて、

 

さらに"これからの"デザインについて深く意識をしたことはなかったので、この問いがとても難しく思った。

 

私は学部生のとき、心理学を先行していた。

そのため、デザインに関しての知識やそういった考え方といった点にまだまだ未熟さを痛感している。

 

しかしそんな自分なりに、

「あなたにとってのこれからのデザインとは?」

の問いを考えた結果、こんな結論が出た。

 

現在の私にとってのこれからのデザインは、

 

「デザインによって人が幸せを感じられる体験を提供してあげられること」

 

だと思えた。

 

幸せ、というのは大げさなものばかりを含むのではなく、本当に些細なことでもいい。

 

"ちょっと楽しいかも"

"なんだか嬉しい気持ちになった"

 

そんな感情をデザインで喚起させることができればいいな、と願っている。