工業デザインとデザインの思考

今回は(株)プレーン代表の渡辺弘明氏からお話を伺った。

 

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●学んだこと

 

渡辺氏のお話の中で、

 

「複雑化は美しいか?」

 

といった問いが投げかけられた。

 

その際に例として、見せていただいたのは

ハートのような形をしたタワシであった。

 

果たしてこれは美しいデザインと言えるのだろうか?

 

従来のタワシは、無駄な要素や無駄な形を省きつつも、

きちんと機能する。

 

そのことを追求した結果、馴染みのある今の形になった。

 

この無駄を究極に省いた、

もうこれ以上単純化できないデザインこそが美しく、

 

さらにそれこそがデザインだと言うことを知った。

 

そのような無駄を省いたデザインを作り出すためには、

モノを作る際の最初の段階から美を目的としないことが大事であるという。

 

機能や使いやすさを考えた上で見た目の美しさは結果として

備わってくるとのことであった。

 

●考えたこと

 

今回の渡辺氏のお話から、

デザインを考える際には、自分が作りたいモノの本来の機能を意識した上で

作らないといけないということを学んだ。

 

今回の講義の中で、様々な製品を紹介していただいたが、

その中の1つに「kamomefan 」という扇風機の紹介があった。

 

このkamomefanは実際に持ってきていただいており、

実物の紹介もあった。

 

従来の扇風機は、昔の日本人の生活スタイル

(畳の上に座ったり布団を敷いて寝たりといった)

に合わせて作られていたため、

 

畳に座りながらや寝ながら操作できるように

扇風機の足元に操作スイッチが集中して作られていた。

 

しかし、現代の日本人の生活スタイルは

イスに座って過ごすことやベッドで寝るといったことが多い。

 

kamomefanはそんな現代の日本人の暮らし方に合わせた扇風機となっており、

操作するところが扇風機の足元ではなく、ボディの真ん中くらいのところへ付いている。

 

そのおかげで、イスに座ったままの状態で扇風機の操作が可能となっている。

 

この扇風機のお話から、

今のユーザーはどのような使い方をしているのか、

どのように生活しているのか、

 

ということに着目するだけでも、

すでに存在するモノに変化を与えることができるんだ、

ということを感じたことから、

 

ユーザーの立場や視点からモノ作りを考えていきたいと思った。